צא

دمنهور - 𝑆ℎ𝑖𝑧𝑢𝑜𝑘𝑎 | 𝐻𝑒𝑟𝑚𝑒𝑠 𝑇𝑟𝑖𝑠𝑚𝑒𝑔𝑖𝑠𝑡𝑢𝑠(933311) | Ramakrishna | 𝐑𝐀 | 1991.03/19 | JAPON ♎︎

【レモンティーは常温以下にならない】

インスクローム・スパイスによって尻骨盤のインナーCPU内に前転運動を送り込む事に成功した。

授賞式が15個並列させられた楽天広告的ギラつきが厄介である。
片手に収まる規格であったので、そのまま勢いで丸める。
「ニャァー」とスーツ装いの公人らが潰れる。
ケビンどこにいるの?
よちよち、という小説。その上でヨチヨチ僕ちゃんbaby(ベイビィ)
「どなたぁー?」
主婦今行っちゃだめだよぅ。
しゅぅん、と今組み立てたビジョンが破砕。
壇上に上がるのはケビンベーコンである。
(無論、P・I・N(ポストインターネット)の始祖である。銀色のシニフィエの出自でありながら象徴でもある)
「おいよぉー、お前らよお〜。こんなんでちゃいましたけど。」
ケビンベーコンは手のひらで蠕動する白子のような臓器を見せてくれる。
そこに髪を束ねた清楚な女が仰天した顔でこう呟いた。
「あ、ありがとうございますぅ!」
ーいいかい? じゃあキスしようぜー
ベーコンと貴子のキス。
貴子はプラグマチップの故障を自前の霊脈の上澄みで支払ったので。銀歯の画像が左頬一帯に張り付いてしまっている。
「今朝の買い出しで見られちゃってねえ。学生だったかなあ? 私と同じ人間なのね。つまりプラグマ赤系?」と貴子。
ーちょっとティー淹れるわねーと我々に気遣って、映画的に強度のある挙動をしてくれた。
「あぢぢぢぢ」
え?
私は驚いた。40型の倍速液晶に貴子がめり込んで壊れている。
「ティーを淹れたんではなかったか?」
(ちゃんとハーブティーは淹れられていた。)
どうも左頬に張り付いた銀歯の画像が反応してしまったらしく。
貴子は座標軸違反を犯してしまって、体育館内でベーコンの演説を聞いて仰天してしまった清楚な女と相転移してしまったようだ。
(清楚な女は今、倍速液晶の故障部とは大分ズレた辺りから排出されつつ40cm規格の大陰茎がお目見えしている)
「マッチある?」
「今ドキュンだろぉ!」
ベーコンはチック症状の都度、座標軸の報酬系を大量発散している。
「マッチある?」
「今ドキュンだろぉ!」
ーお、まだ出るかーとケビン。
延々に座標軸を吐き出しているが、それは間欠的なものであり、いつでも万事急襲に成功するだろう。
しかし銀歯嫌いの人類は別の都合でこのケビンの舞台を止める事ができない。
貴子は身を乗り出すとケビンにキスをした。
つまりそれは清楚な女が完全にこのマンションの一室に人権を得たのであって、私は40cm規格の膣が忘れられないでいた。
「今ここでさぁ、レモンをあなたに見せる事は可能なのかな?」
「ここはどこですか?」
(そんな事を聞いているんじゃない!)
「君はステンレス・キッチンの上のレモンティーが冷めた事には何の興味もないのかい?」
一向に事態を理解しようという気は起こらないみたいで女は犬のようにぐるぐる歩き回っている。
「こんな話があるんだよ。今タワシなんて言ってみちゃったりしたら調子がおかしくなるかな? そこにバーがあるだろ? そこでは明太子を出す。 なぜか分かるかい? ここが港の近くだから、なんて言うなよな。なぜかって? 赤いからだよ。バーは暗いだろ? 彼らは食を求めているんじゃない。静謐な知性の推移を上昇させたいわけだ。だから彼らがクールであるためには反対につまみで力量を整えないといけないわけさ。だからあそこにはキムチだとかトマトだとか唐辛子だとかとにかく赤いものしか置いてない。あ、我々を健全に生きさせてくださるための臓器はつまみとしては置いてないよ。共食いになっちゃうからね!(ここで馬鹿笑い) おかしくないのかい? だいたいここの連中は笑うよ。なぜかって、彼らがクールであるためにさ。海から生まれたんじゃないかな。きっとそうだと思うけど。マスターなんて言いたくないが、そこの店主はイかれちゃってて、酒をサーバーから出しすぎて都度「あいちゅくりぃむ」なんて吐きくさるのさ。結構こう聞いてみるとファンシーだろ? でもそこのBGMはトランスしかからない。店主は休みたいんだよ。だからトランスで客を追い出したいの。けれどもそれが逆に知性的な客を集める事になって、そんな店だよ。彼らはプレイしにきてる。今あんたも均衡を保つために、そこをグルグルしてるんだろ? ここの部屋は貴子が住んでいたんだよ」
「私と同じ名前!」

私は目をひん剥いた。まるでNHKの反・表象のようなオチである。頭蓋の皮膚を剥ぐほど苛立って混乱してるのが自分でわかる。座標軸違反においては林立系の位相は許されない。アダムとアダムの物語みたいなものであり、それはケビンが好きな調子だ。
ーあの忌々しい外国アニメ風のマーチが聴こえてくるー
取り急ぎ女の前面を剥ぐと、やはり変質してしまっていて、あらゆる陳腐な小箱が仕切り棚に敷き詰められていた。

「ちゅるちゅる、お〜いちい。ちゅるちゅ、やめよ。ビロンガビロンガfuckしてるときに俺の名前を叫べ!」
ケビンは突如の厚遇に、羽を伸ばしていた。
まるでビリヤードの球が吸い込まれるように貴子は口腔から内容物を吸引されている。
今回の二重貴子のようなシンプル・システムで完全に筋肉的な座標軸しか発散しない。銀色のシニフィエは一級であるから転覆するとそれ自体が腫瘍になってしまう。
私は急いでケビンの元に。
彼と同位体になる必要があり、小箱にあった飴やガムを貪りながらーアメーリカ!アメーリカ!ーと叫んでいるのだ。
なんならケビンを牽引するくらいでないと困難で強姦。
都合よく煽情的でめぼしいのが見つかった。
「エロいね」
「やめてくだしあ」
「ああイく!」
女は急速に受精し、ものの数秒で出産した。
「この子、貴子ー!あたしも貴子ー!」
最悪であった。
ケビンとの座標軸的なパブリシティの奪い合いは解消せずもう体育館に。

ケビンは外国のマネキンみたいな癲癇を起こしていた。
すでに貴子以外の人間は鎧になっており、回収不可な磁力である。
(白目で八百屋の真似をしても位相履歴は参照できない。)
まずケビンを緩やかに鎧へ放っては起こしを続け、晴れるのを待った。
しかし夕方にさしかかりそうであり、私は覚悟を決めた。
ケビンが筋肉系の座標軸を完全に発散しきるまで待つのだ。
鎧、ケビン、貴子の死骸、私。
終わらない夢の中で気が触れていき涙を流したいくらい幼児化していた。

「もう閉館ですよ」
目が覚めた。都バスは使わずに徒歩で貴子のマンションへ。
ニュースでは奇妙な報道で持ちきりであった。
1. 政治家淫行。モナリザの絵画で陰茎を負傷。
2.国民的アイドル。汚染区域の河水を飲み奇病。
3.全国の精神病院から全患者が失踪。
突然の便意。
切れ痔に伴って吐き出された巨大な糞便は水中で分解されていき貴子の生首が浮かんできた。
ーひぃぃぃぃー
しかし精神が健康なので、私はほくそ笑む。
レモンティーはいつまでも常温のままであった。

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