צא

دمنهور - 𝑆ℎ𝑖𝑧𝑢𝑜𝑘𝑎 | 𝐻𝑒𝑟𝑚𝑒𝑠 𝑇𝑟𝑖𝑠𝑚𝑒𝑔𝑖𝑠𝑡𝑢𝑠(933311) | Ramakrishna | 𝐑𝐀 | 1991.03/19 | JAPON ♎︎

【ショーンは鉱物のために奔走する】

※XXXTENTACION「?」リスニング推奨
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白い十字架から赤い巨大なスカルが透過されてしな垂れてきた。
目にスッと静脈注射の如くクリアな柵が見えて飛び起きた。
ショーンは銀行員のたゆまぬ研鑽をフォークで突き刺したい気分だった。
(サイコキネシスと相性の悪いフォーク)
エントランスには六法全書が落ちていた。
ので、突き刺したく合点して彼は丸みを欲しているのを知った。
スカルと丸みの差分領域に目玉焼きハンバーグが増殖。
色相として前景化するのは黄身であり、彼は反射的に巻き戻したのだ。
ちょうど白い十字架が仄暗い怒りを吐き出す瞬間である。

(自室に引き返して、それから?)
ショーンは歯が弱く、ロキソニンを放った。
こめかみのうずく鈍い痛みでひとえに見過ごした。
ートラクターに白い十字架は轢かれていた。ー
背もたれの慣性を利用し後頭部によって窓硝子を破砕。
この場合は夏が収縮する。
ピンク色の氾濫である。
(ビル、人、植木、サッカーボールすべてが…)
ショーンは痛覚とピンクの位相に問題があると閃いた。
ひとまず都内でトラクターを買う事が必要である。
外は次第に曇っていき、3ブロック先の横断歩道でパトカーに轢かれた。
警官は山羊の曰くの血を片付けた帰りで逆にメントール臭が饐えている。
ショーンの意識は遠くなっていった。
「未受領はどうなるの?」
今さら効いてきたロキソニンによって裏返ったので、運搬経路がビジョン化している。
因果律は極めて内向し、矮小化し、気の弱い人間にとっての障害や動物的な男性の精巣にあてがわれていった。
(ショーンの遺体はパトカーの後部座席で山羊の血溜まりを口に含んだ。警官は清掃に疎い)

ロサンゼルスの電飾ガードルと神経症者の接近によって転生を止められたのでショーンは異質的空輸から吐き出されてしまった。
ショーンは満開である。
神経症者は「ビルは四角、ケツは丸。ケツがビルに乗るならビルの表面は皮膚でなければいけないのでは? でなけりゃこの世に象徴なんてないさ。俺の親は名前もつかねえような会社員で、俺は不自由だ。大きな彼岸がねぇ。」と言った。
目の前のカフェテラスとメーカーのパブリック・カラーである緑色が介助的に彼を瞬いた。
その上で「やっぱケツだ。」と彼。
(ショーンはいまだ電飾ガードルの先端で痙攣している)
好機を捉えた彼がSM嬢の目の前に立った事を考えるに長い間、土着的な腐敗に付き合ってきたのだろう。
一つの交配が完了するのに充分であった。
・女はガムを吐き捨て、男をどかした。
・男はよろけた勢いで、ケツを物理的に照合。
この小支配的グリッドで取引される運動履歴が大気に流出され、ちょうどそれはツバメの自閉症的な飛行によって出来た菊紋のように象られていた。
男は目覚めたのだ。本質的に蘇ったと感覚したが?

ショーンはSM嬢と宮殿の建築学について盛り上がったついで、ホテルで接合。彼女の口腔からグリルズを奪うと北西の方角へ全速力で走った。
林道で自分の器が遺棄されるところに出くわした。
パトカーをなぞるように覆っていた曰くの山羊のベール。
さしあたって連中は睾丸二つである。
ショーンはグリルズをはめ込むと、寝そべっている自らを食べた。
丁寧に織り込まれた俺のかつての苦難の重力。死ぬとトイレットペーパーに印字されたみたいに流麗で食べやすかった。
(特に頭部を歯でこそぐのが快感であった。)
「なんだよ、もう少し早かったら山羊の血も分けてやったのに」
警官は見つめあってエラーコードを出すように小気味よく笑いを吐いた。
ショーンは食べ終えると、やはり山羊のベールに目がいってしまってー睾丸が話せるのかーと警官を見比べた。
しかしこれも警官らは笑い飛ばした。
肩に手を回されて、咄嗟に彼は警官らの睾丸をもいでしまった。
直立のまま倒れたその間で彼は睾丸を抱きながら長い間意識を失った。

象形的lolの、その頭上で永延に山羊は呆気にとられた顔をしていた。
白い十字架は壊れれば、ただの鉱物である。

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