צא

دمنهور - 𝑆ℎ𝑖𝑧𝑢𝑜𝑘𝑎 | 𝐻𝑒𝑟𝑚𝑒𝑠 𝑇𝑟𝑖𝑠𝑚𝑒𝑔𝑖𝑠𝑡𝑢𝑠(933311) | Ramakrishna | 𝐑𝐀 | 1991.03/19 | JAPON ♎︎

【去勢しちまった悲しみに 】

去勢しちまった悲しみに
今日も精液の降りかかる
去勢しちまった悲しみに
今日も呼気さえ吹きすぎる

去勢しちまった悲しみは
たとえば原発の固硬度(かたこうど)
去勢しちまった悲しみは
精液のかかってちぢこまる

去勢しちまった悲しみは
なにのぞむなくねがうなく
去勢しちまった悲しみは
倦怠(けだい)のうちに死を夢(ゆめ)む

去勢しちまった悲しみに
いたいたしくも怖気(おじけ)づき
去勢しちまった悲しみに
なすところもなく日は暮れる……

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これは剽窃・引用ではありません。中原の詩にみられる人間への鏡像のなさ、つまりは汚れる事によって人間を超克し、鏡像の対象が自然印象へと移行される事の、霊媒的な形式のその互換性がなんであるか示すためのコンセプトで制作しました。
霊媒霊媒とシンクロする。なぜなら社会的な軋轢の段階にないからである。倍音するのである。
内的独白・個人的なものは自他の区別を取っ払う。
つまり個別性がない。
二元的な呪い(=愛着・信仰・因習・依存・霊)であるカオスの特性とは《順序がない・輪郭がない》ですが、機能として最たるものは押韻なのです。繰り返すという事です。
対称性の領域では繰り返され、繰り返されれば繰り返されるほど順序や輪郭がなくなるのです。
そしてカオスになる。円になる。

《カオスは素材不可・使用不可であり、素材不可・使用不可であるからこそ完全に所有可能である》

つまり私は剽窃・引用したのではなく所有したのである。
《私》は1オクターブ上げただけである。
原曲をカバーした弾き語りは曲をパクってるとは言わない。所有しているのである。