צא

دمنهور - 𝑆ℎ𝑖𝑧𝑢𝑜𝑘𝑎 | 𝐻𝑒𝑟𝑚𝑒𝑠 𝑇𝑟𝑖𝑠𝑚𝑒𝑔𝑖𝑠𝑡𝑢𝑠(933311) | Ramakrishna | 𝐑𝐀 | 1991.03/19 | JAPON ♎︎

「油差し」

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最初にセンセーショナルがあった。枠線が白いので助かった。それはキリスト・ホログラムの祭壇だった。まさに正八面体を表すブラックルームだ。まずこの事について言わなければいけないだろう。つまり正八面体は上から見下ろすと六角形になるという事だ。8÷6。
それは「1.333333333333333…」にならなかった。まさしく2と3の共通項が求められた。その事について話そうと思う。

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幾何学者にとって親和性のない対象というのはなかった。そのようにして取り出された陰茎がある。彼は尤(もっと)も肉体の次元を超えているのだが、だからこそ性的領域に入るのであった。乗り気ではなかった。しかしそれでも資本的利益があったので続行した。結果的には幾何学からの追放を言い渡された。そして彼にはポルノビデオの製品番号「20002」だけが与えられた。

赤いイメージに連想される事柄は大体現実では避けがたい瞬間だ。だからこそ赤色とは速度性に関連していた。しかし超人の場合はどうだろうか。彼にとってそれは白色で再現された。
《1》
白いカーテンを見てるのが逆に不自然な事だった。私は聖職者のローブの繊細な動きを見ていたのだが微睡みと覚醒した思考活動によって限界を超えたようである。
《2》
闘技場は清潔だった。その中央には大量の豚の屠殺死体があり、死体の量(かさ)は血を排出して闘技場の設計通りに地面を埋めた。太陽は血を照りつけた。反射面は白色だった。それだけが全てであり、屠殺も死体も闘技場も関係なかった。

白いキューブがベルトから流れてきている。しごく人間的な光景だ。というのも人間の集合無意識が廃棄されていたからだ。そうとしか言い表せられなかった。だからこそ白色なのである。

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穏やかな縄文的光景が広告の隙間から押し出されてきている。嗅いでみると緑の匂いがした。地質学者は丘陵の資料を見ていた。稜線には詳しい数字が書き込まれていて我々にはそれが先鋭的な図面作品のように見えている。ところで地質学者はこう述べている。

「風が吹いている。草は撫ぜられた。曲線を描いた。そして戻った。風が止んだのが分かった。それだけではつまらなかった。そして何も起こらなかった。夜になった。何も見えなかった。日が昇る事はなかった。私はこの観察をしていられなかった。私は食事を取り、眠った。性欲はどうだろうか。射精をした。ただそれだけである」

目が覚めるようなコマーシャル。銀色のテロップが全面に映し出されている。それはGAZINZENGELFAY(ガジン・ゼンゲルファイ)という商品だった。
何の商品かというと自動車用のチェーンオイルだった。それが私には天使の道具のように感じられた。そして思いついたのである。(私には嘔吐が必要だ!)
20002錠必要だった。私の思いつきとは「滝」であった。しかしすぐに改変された。なぜなら改変には科学的な意味合いが帯びている。私は美意識として科学が好きだった。科学とは衛生的で深く宗教的要素と結びついている。そして20002粒が求められた。私は約13パックの風邪薬を飲み込んだ。粒の個数が正確である必要はなかった。

直径15cmほどの吐瀉物が出た。そこに滝のスケールを見た。床の溝に流れ込んだ吐瀉物は泡立って白かった。次第に呼吸と血液循環の均衡が取れていくのを感じた。血の気が戻るにしたがって視界は薄紅色に広がった。

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文明人であるが私は裸である。それは創造主の証だった。なぜなら「2・3」いずれも「1」に還元するには「1」それ自体が対称性をもつ必要があるからだ。またそれは模倣行為によって果たされた。私は性的領域に入る事をやめられなかった。