■

蟹に死霊が通過を試みる。市役所の高々の鼻の穴から出づる水色の球体は電化製品とリンパの滞留に由縁のある熱風に一網打尽にされる。その瑣末な諸事情が死霊の背骨をかすめるところまでくるが、彼は蟹の鋏のところまで出かかっている。マネキンの首が取れるが、マネキンの首としてのそれぞれの諸事情であり、それは劇的ではない。吹き溜まりのビニール袋からノズル江口までライン工の奥歯に乗って、襟巻きとかげは厳めしい。話によると炭酸状の岩塩は、映写機のスレートと腹巻きを接合していたし、確かにそれは駅前の路面を歩く数々の足取りに高回転で取り憑く小熊として知らされているよ。弾は切らしていなかった。宮殿式鉱山に黄金色の陽が差される。割の合わない諜報活動、クリムゾンというパスタをダストシューターに捨てる装いをしながら、蝿の拡大写真は高速道路の岐路毎に折れていく。諜報活動などはあってないようなものだし、第一にダストシューターってのは何なんだ？だからただのグミで出来た酒場だから。離してよ、とマネキンの口からあぶく銭が吐き出される。紅潮したグミから酒場が吐き出されると、拡大された喉は蝿のモンタージュのなかで速度をなくす。息切れしたキャラメルの父さんがよく進軍のとき、一人一人が美味しそうにバターを想っていた話をしてくれる。誤ってセメントに落ちた発泡スチロールが浮かんでくるような夕立に見舞われて、着古した塗料の蓋が帰化。鼻をいじりながら缶切は膝テナントを屈伸で肌色で温める。今度は、オールで灰皿を流しはじめた。間引きだよ。昔なんかじゃない。間もないアレが首を絞られてさ。まったく新興住宅においてのキッチン下の扉だ。はなからさ、と言えばお前は徒競走やユニフォームの下になるだろうし、口を縫う必要もないんだからさ。せいぜい高騰した油で隣町を燃やしなよ。帰りに、野菜を忘れないで。みんな規則的に遺書をしたためてるんだから。発砲音がした。もう時間がない。用事に、そして隣でねむる何かにうずくまりながら異国の畑を育てな