教皇が8/10回、宣告する。
「いちどきの5ガロンくらいの射精」
「大いなる天空 大いなる天空が脛ほどの高さで そして 大いなる雷が人類の地上でのしがらみを爆砕する」
「結局、我々は救済されたという事を地上で確認したい」
「人間の避けがたい欲望とその誘惑は実は容易く断る事が出来る。それが難しいのは断るにあたっての理由がないからである」
「理由がある人間はそうして天人なのである」
「まず骨格の変化がある。それは山羊のようである。次に毛髪の変化がある。つまり毛髪は角の生える位置にしたがって前のめりに生えてくる」
「奇跡 奇跡に次ぐ奇跡 マグマもとうに意味を失せてくように 奇跡は無限に分裂していき 外では柱のように 家では仏壇のように 人間は硬い硬い礎になっていく」
「私が本当の目を開けるとそれは青く そして地上は(地平線としては)湾曲し 上空ではおよそ5万mのキャソックが掲げられていた」
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私は裸の状態だった。しかし皆さんには私は衣服に身を包んでいるように思われる。私は異様な感じで目を開き、次のように語る。
(ピラミッドはここでは何も反射しなかった。なぜなら外が透明だからである)
「ピラミッドの外に空間的ピラミッドがある。共通性は連続性であり、三角形は菱形になった。3が4になった」
空間的ピラミッドは"ピラミッドの左の斜面から侵入し、底辺の中間点で屈折し、右の斜面から抜け出て、東の境域に当たって跳ね返り、天上を突いて、西の境域に当たる"というのを繰り返している。
そこには三角形が存在するのにも関わらず同時的に菱形が存在していた。
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私が衣服を着ているとすれば皆さんには裸の状態に見えているだろうか。ともするとまだ語らねばならない事がある。
川から一つの死体が流れてくる。それは二つのモニターで映し出されている。また左側のモニターは逆再生である。
それらは物理的な機器によって映し出されているので交わる事がないが、ここでは次のような結果になった。
映像の収録時間は5秒であり、最後は画面から見切れて終わる。しかし互いの頭部は激突する。
(ここにモニターはなく、左右の概念はなく、川も死体もなかった)
そして太陽直系の光が垂直に流れ込んでくる。
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私は沈黙すべき文言を2/10回、示した。
「放牧地の羊さながら人々はコの字に折れ曲がって点在していた。それは圧縮されていると言っていい」
「せり上がってきた精液が頭から抜ける時、それを固定するには逆三角形が使用される」
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10/10の文言が位置づけられる。ここに二つの黒柱がある。左側の柱は西を示し、右側の柱は東を示している。
雷は定められた律法によってその間に正確に降りた。しかしそれは私には急に消えたように見えた。
天空では花柄の紋様によって固定された藁がある。藁は中腹が膨らんで頭とつま先が窄んだ形になっている。
また雷はその律法によって降り注ぐ際、二又に枝分かれする。それは26文字のアルファベットから2つの文字を取り上げるためである。
それがaであれば対称性としてzが選ばれるかというとそうではなく、枝分かれした雷は同一であるため、2つのaが取り上げられるのである。
男と女は垂直に向かい合い、左には火があり、右には水があった。
水は降下する際には左に推移し、火は上昇する際には右に移動した。勿論、男は女に口づけをしたであろうし、女は自らの中心に全てを引き寄せた。
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私はもはや裸の状態でもなければ衣服も着ていなかった。というのも皆さんが裸であれば衣服を着ているように、そして衣服を着ていれば裸のように見立てたからである。
「共通性とは連続性である。同様に連続性とは可逆性である。つまり三角形が菱形になるのであれば、菱形は三角形になる。4は3になる」
しかし実際はそうならなかった。そこにあるのは三角形ではなく逆三角形だった。
つまり私の無力な試みというのは皆さんの宣告と沈黙すべき文言を聞き入れる事を意味し、そうする事で教皇と私は合一するのである。