降り鼓舞し、筋肉の糸がはぜる。
ケースは自らの説明書を読み自爆した。
泳ぎ切った という魚がボウフラから採取された深緑色素のチュートリアルの上で泳いでいる。裁断機の輪郭の役割を担うスペース公務員は目の弧に追いつけないでいる。が故に眼球はにくひゃくうねり、正確に裁断機の輪郭をなぞっていく。宇宙ミクロさん、踊っていますか？水が型にいれられている。型は 通念 と。因果から取り除かれた夜で、誰と踊っているのか。顔より速度が顔だ。それでも相手の顔を見ようとして。新しい病名です。拳が積み重なってできた腕が天井を突き、握られた拳が掌へ。はら、と落ちた乾いた魚の皮に 筋器質性バイオ心気症 と書かれていた。警戒しながらも確り魚の皮を踏む男の説明をさせて下さい。筋肉質、負債者、不眠症、穏やか。昼下がりの空きテナントの窓ガラスが割れる一連が 際限なく繰り返される。死んだ男の口からは リピート が吐き出され。山と機械を仲良くさせて下さい、破裂。仲良くさせて下さい山と、破裂。機械と。あらゆるパターンの行進がそこにはある。赤白のストライプ、制服。行進しています。膝はピンと、意気揚々に。黒の制服、極力関節を曲げずに。その行進もあった。緑色のセロリが額からにゅると入る。この場合の緑色とは どのくらいの色彩であるか。どのようにして補正された？ 私は出来レースの地獄を逐一、メモを取りながら続けた。もう少し、いやもうちょっと、ほんの数秒でも長く。あ、駄目駄目.... 竹子は振り子になっていた。私の中で振り子とは機械的なイメージを持っていた為、彼女が竹子というよりも機械として認識していた。「裁判官！ 機械ですよ。竹子の振り子運動が少しでも衰えていたら私は機械ではなく竹子として認識していた」「死刑！」そんな、と私は思っていた。「裁判官！こんな些細な事で死刑にされるなら死刑に値するような罪を犯させて下さいよ」「死刑！」私は、おや と思った。もしかしたら裁判官は「死刑！」としか言えない、いや反応しないのではないか。「裁判官！あなたは機械ですね？私は死刑ですから刑に服します。が、あなたを殺す事で私の死刑に値するという満足度にご協力ください」「死刑！」私はまさしく人の皮膚といった感覚がある裁判官の首を掴み、ひとおもいにひねった。その間、裁判官は何度も「死刑！」と連続していた。なんとも啖呵的な目の覚める、死刑！ みんな死刑！ 急激な外気。あるいは性急な外気。ガラス片を一身に受け、巨大なインスピレーションに包まれる。「こんな色は見た事がない」「死刑！」私はすぐに映像の中に自分は居たのだと察知した。なので私は 出よう と思った。激しく向こうへ駆け出す。そこには艶がある草の群生が続いて、巨大な汗の一粒が浮いている。どこからともなく聴こえる裁判官の声。「裁判官が言っていたのではなかったんだな」私は青春の中にいる、と紛れもなく思った。しかし私の目の前に拡がる出口と獲得されるであろう現実には永延に辿り着かないように思われた。
