צא

دمنهور - 𝑆ℎ𝑖𝑧𝑢𝑜𝑘𝑎 | 𝐻𝑒𝑟𝑚𝑒𝑠 𝑇𝑟𝑖𝑠𝑚𝑒𝑔𝑖𝑠𝑡𝑢𝑠(933311) | Ramakrishna | 𝐑𝐀 | 1991.03/19 | JAPON ♎︎

【マイ・アドルフ】

中通りの十字路に立つ石像を覗き込むとそこには魚眼レンズで伸びたような庭があった。教会との符合。
すぐにダビデ像の退行的観念に伴ってハグ。
噴水の外壁には一つ一つプリズムが埋め込まれており、私はさらに強く抱きしめる事で軽蔑の意を示した。
「話がある」
(三つの和音が順繰りに際限なく発されている)
不思議と爽やかだった。口の中のメンソールは胃の癇癪で波打ちながらも溶けていくような気がした。

花瓶に大雨がすべて入ります。低い狂気を剥くイメージをより確かなものにするための動作。
「プライハンズの刺青は皮が余ってアンダーアーマーのようになっているってのはどう? 裏稼業とアスリートの位相は面白いと思うんだよ」
三日目の晴れ。(ラベリングされたヤクザ)
堕落した生活のふとした時に招致されるあの教会の、そしてラッパが響くところの限界点を調べなければならなかった。
冴えない人間の健気さがどうして栄光を掴めないのか明らかにするためである。
白い集団によるリンチ。膀胱を口に含んだ生首の曼荼羅
(緩募しています。不明瞭な発話でストレス発散してください。カオスのダイナミズムをたくさんつくってください)
悪魔は結石のように血管で死んでいた。

シコり過ぎてダルい。歯も痛い。お馴染みのミュージック。お馴染みの周期。空調も効いててイオンの天井が俺を引き揚げた。ほつれまくってる白いベールが床に敷き詰められている。外国人のブロンド髪はナイロンのようだった。志半ばの祈りを保全するところの石。
「ミチッ」という音がして宗教が消えた。
あらゆる聖性が減衰し、芋づる式に人間が卒倒していった。(最後まで生きていたのは赤ちゃんである。その次が精神病患者であった)
そして私だけが残った。
うつ伏せの男のポロシャツを掴んで階下のテナントにぶん投げた時、私は一瞬だけ罪の意識に囚われた。
結局はそれきりだった。宗教が消えているからだ。
「おはようございます」と大声で叫んだ。
人々は生きていた。

「びっくりもしなかったんだよ。ただ機械がぜんぶ肌色になっていて凄く苦しそうだった。俺と同じ顔をしていた。新たな信仰の息吹を感じたよね。粘菌類のお兄さん的な宗教だよ。ここの物理法則が虚数として扱われるところの物理法則だよ。重言も全然いいみたい。信仰粘菌の虚数ってエントロピーが気味悪くてその上部で陰茎がこすれて嘔吐しちゃった。出ないみたいだね。口がないからゲロは出ない。言っとくけど私だけが残ったって俺は真っ先に死んだよ。ただそれはあのブロンド髪の科学的な匂いが鼻に入ってきたときだよ。最初じゃなくて以前か。俺の象徴を教えてよ。どう見える?あなたは二世的に強そうだね。仲良く出来そうだよ。なんでかは分からない。なんか親を可哀想に感じるところの猛々しさが出てきちゃった。俺の母親の死骸。口から割って入って神の目を潰しちゃおうかな。そうじゃねえか。ユーモアの最果ては宇宙の最果て。許されないユーモアが宇宙の上限だって言いたいね。聖母を殺させようとするなよ。近親相姦がいけないなら正妻を与えろよ。成り下がらせろよ」

外国人とぶつかって目が覚めると強烈なストレスを感じて後退した生え際を掻いた。
アドルフの顔が一瞬、鮮明に見えた。

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