צא

دمنهور - 𝑆ℎ𝑖𝑧𝑢𝑜𝑘𝑎 | 𝐻𝑒𝑟𝑚𝑒𝑠 𝑇𝑟𝑖𝑠𝑚𝑒𝑔𝑖𝑠𝑡𝑢𝑠(933311) | Ramakrishna | 𝐑𝐀 | 1991.03/19 | JAPON ♎︎

ある資産家の息子は、ただ一つの会館を建てたし、そこの地域に一つの条例を権威的に設けさせたにすぎない。

《立ち入るには目を開きすぎない事》

この地域には河馬がいないのだが、それ以外はこの条例を除いて、他の地域同様あたま一つ出る違いは感じられない。

河馬は粉々にされ、砂利に入り混じり、その上から赤白青のストライプのかかるシートで被されている。つけ加えて、それは会館の前庭でそのようなことになっている。

ここは労働斡旋所である。

前金8ペットが一律で給付され、登録には口話が使用される。月に80ペット(平均からして約11倍)登録されている限りにおいては支払われる

決して、登録に訪れた者は列をなさなかったし、何より登録の迅速さから列をだすような真似も起こらなかった。

悪巧みするやつもいない。ひどく目の疲れた、というのが一貫して登録者にみられる。

部屋のある一点を間歇的にx時間、ついで横になったときの接着面の温度がx度、その二つのそれぞれの総量が、規定に達した時にはじめてこの募集がかかっていることを登録者は思い出す

会館の脇に、その労働施設はあり皆、入口にて賽銭時のしきたり如くに河馬の歯を一つポンと肖像に投げかける。八割がアンダースローによるもので、振りかぶる体力もなさそうに見えた。

ここでも前金の8ペットが給付される。資産家の息子はメガホンを足で、それも壇上そのマイクのつけ根付近で壊した

壊してから彼はマイクを丁寧に畳み、そっと横たわらせる。

資産家の息子の声がある

「みなさんは数ではありません」

「ので、もうお分かりでしょう」

集った、不定無職たちははじめてこの時、施設内に音楽が聴こえるのが分かった。

「このビージーエムには、声はありません。この音階のみが際限なく続きます」

数人が、床へ手をつき楽な姿勢になってきた。

「射精もかまいません」

一人の男が質問を投げかけた

「それは射精は許されないっこってすか?」

資産家の息子は胸ポケットから短銃を取り出して、質問者(この場における数)の口をぶち抜いた。

「みなさんが何を考えようが勝手ですし、取り締まられるようなものではありません」

連弾を押すような調子でつけ加える

「ただ一人一人による施設であり、ただ解放すればいいのだし、場合によっては労働者同士で殴り合いも性交渉も、ただ個人の施設だという認識がある限り、それは許されます」

しかし!、資産家の息子は熱がこもった

「口によるものは、すべて射殺です」

「みなさんよく、まだ口がきけますね。きけるならさっさと他で働き始めればいい」

既に、踊りはじめている者もいるし、手淫に耽っているものや寝ている者、窓に頬をすりつけている者など

「そこのあなたいいですよ。情熱的だ」

すると一人の男の顔が、手のひらを返すように変わった。

その顔の男は自らを「一番だ」と述べながら、壇上までの階段を登りはじめ、そのまま資産家の息子に近づくなり、簡易かみそりでグチャグチャにしてしまった

「はじめてのカタカナだ」と資産家の息子

千差万別の独特な熱風が混ざり合って、施設内はすぐに湿気でみちていった

最後に心臓を拳でねじ潰すと、男はどこかへ言ってしまう。

しばらくすると、警察官でもあり資産家の息子の叔父でもある男は壇上へ駆けつけるなりマイクを伸ばし、固定し「息子の遺言がある!」言ってからに、エコーを強めにこう言った

「お前らはただ解放して、個人のゲイジツをやればいいんだよ!それで金がもらえっから!」

労働者は個人の民謡に打ち込んでいるので、しかと聞いてる素振りはおろか耳の存在すらも感じられない。

一つの突き抜けるような声が響き渡る

「金があったぞ!二階の奥にあった!俺はまだやるぞ」

「それはまだ資産家の息子をグチャグチャにするってこっか!」と一人の男

もみ合いながら、二階へかけ上がる足音が幾層にも重なりながら、施設中にこだまする

気づくと二、三人しか残ってないようで叔父は生殖器をしごきつつ、彼らを寄せ集めた

自然と叔父の生殖器を手近に見つめるようなムードになっており、意気揚々に叔父は口をついた


「これを飲んでほしいのだけど」