צא

دمنهور - 𝑆ℎ𝑖𝑧𝑢𝑜𝑘𝑎 | 𝐻𝑒𝑟𝑚𝑒𝑠 𝑇𝑟𝑖𝑠𝑚𝑒𝑔𝑖𝑠𝑡𝑢𝑠(933311) | Ramakrishna | 𝐑𝐀 | 1991.03/19 | JAPON ♎︎

砂のように

砂のように悶とした瞼は、懸命に擦る指を差し出し友人は私に歩み寄った。
「お前は落ちる夢ばかり語っていたし、私も聞くばかりであった」
スプリングの林立する窓枠から鈍色と経年劣化した血の表感が投げ出されている
。はたはたと活躍するTシャツのような鳥。
私は目を擦っていた。なぜ擦る動作がこんなにもスムーズにいくのか、すごい音がなった
「すごい音が発された」
西方からだ。確認すると事故である。
緑色の日射しを手で払いながら、現場へ近寄った。
向かいの歩道に黒い地蔵が四つあるような気がし、私は現場を通り過ぎて真っ直ぐ進まなければならなくなってしまった。
が、野次馬の量が多くて押し戻されてしまった。
警備員「私はまだ働いたばかりだ」
括約筋、と私は思った。警備員は一目散に去ってしまった。
それは大事故、友人が死んだようであった。
ー私は落ちる夢ばかり見ていたし、言い回しに問題があったー
野次馬は片手にナイフをもち、前のめりに私の友人を見ている。
後方で一点を離さずに何かを見つめている人がいた。
運転手はいたって平静に前を見据えていた。降りる事はないだろうと感じた。
誰もいなくなったのは損傷が激しかったからではなく、彼の出血量が異常であったから。
私は一度、目を擦ろうと思ったが 砂のよう ではなかったら彼とおんなじになってしまう気がして、そのまま友人におおいかぶさった。