漆でコーティングされた脳みそが埃や石つぶてをひっつけながら坂道を転がってくる。野木にて胞子が癇癪を起こしたように、肌の荒れた吹出物の大地が垂直となっている。山びこは出刃で断ち切られ、断面から何百人もの人間が落ちてくる。
その貼紙を飲み込んだ事をハッと思い出した青年を見る私は、それが鏡だという事を認識するのに昼下りの外気を使った。
錠剤瓶の意気に富み、立ち並んだ親の部屋から外へ出ると何かスタイリッシュなスーツに身を包んだ女性が門外を横切るのがちらと見えた。
裸足のままではまずいかな、私はそばかすの数だけ連写されるような気がして、蓮の写真と靴を取りに帰り、ようやっと賭場へ出掛けた。
話しかけてみると気さくで又、哀れな店主はビリヤード台に祈りの形で収まりながら寝息をたてていた
私は台座を近くに寄せると左乳首から蓮の写真を取り出して、額の少し上の辺りで破った。
奥に巨大な馬のオブジェがあり、この店の二つ先にアイスクリーム屋がある。
なんともエロティクだな、と耽いる内にいつもの顔が手際良く揃い、私らは各自の愉しみ方で博打をした
彼らの発光的瞬き加減ときたら、笑いを誘いもするし股の間でぶら下がるブツが蠍に食われそうなほどだ
私は十五分もすると、幸福感のあまり手近な逝き方が知りたくなった
ここら一帯の風土は、紙を拒んでいる。
納豆かけご飯の作法について、天井真下のテレビが映し出して、それでこいつらシンミリ食い入って、頷く奴もいれば、頑なにそのままの奴もいる。鰐が落ちてくる
前後に痙攣を起こして、ざあざあ降りの尿を携えて警官が俺らを捕まえに来た。
腰の弱そうな、豆腐あたまの血歯警官様だ
おあつらえ向き、店主は既に高飛び済だった。
日報の書き添えには、聖書の切れ端に赤丸打ったのがあり、背の低いトモロという奴と客間の小さな穴から脱出した。
トモロは窒息しかけていた。笛がないと落着きのはらえない性状をもっていて、彼と抜け出した意味がここで立ち上がる
とにかく彼の検診に付き合う気も無かったので、何度か賭場を振り返りながらも私は家路へ着くこととした