צא

دمنهور - 𝑆ℎ𝑖𝑧𝑢𝑜𝑘𝑎 | 𝐻𝑒𝑟𝑚𝑒𝑠 𝑇𝑟𝑖𝑠𝑚𝑒𝑔𝑖𝑠𝑡𝑢𝑠(933311) | Ramakrishna | 𝐑𝐀 | 1991.03/19 | JAPON ♎︎

【palmaについて】

コリアンダーの茎の隙から勃起する円錐はつまりは人間の苦しみの等合でその座標軸のプログラミングがヒップホップ記号の妾に見えた。

《フクロウのフロウは押韻の同一的な連続だ》
あえての日常的な風景の雨天を再現。またしても大団円で人間の集合的死亡が虚数を端へ追いやった。
肉屋がコリアンダーを細かく刻む記憶が末期患者の肋の間を埋めていく。
「神様なんで見てくれないの?」
この恣意は矛盾に満ち溢れている。あのプラグマティックな陰茎にわざわざ近づいて口を添えるのだ。舌を添えるのだ。
金色の雨。我々の柔らかいあのセックスでほどけ出す情感を硬質にします。金色の雨はそうして降ります。
(円周率の数字一つ一つに、それに対応した規格の"金粉裸体によるセックス"を旋回させる)
たとえば口腔に錠剤を放るスピードを追いかけるように昆虫の触覚が伸びていく。
ついには過去のグラビア表紙を貫通して、それはグラビアの概念を破砕し、我々の日常のグラビアの下着を取っ払う事に成功した。
それによる男性の精液の回収。god's palma(神の御手)を念入りに塗られた額を綺麗に切り取ると前頭前野の切除。
(痛覚は円錐によって代替されているので心配ない。それは心的痛覚をも、である)
まさに止まった人類活動のあいだに完遂しなければならなかった。
膨大な数量を想像する事ができないだろう。それは知覚に依拠しているからだ。つまり"魂にとっては退行したものといえる人間の器"の規格を表している。
規則とは数量ではなく反復である。制度や区分はまさしく反復である。
(ここで陰茎をしごく反復運動を連想してもいいだろう。弛緩的経路としては適正である)
少しの違和感を感じたのだから人類活動はすでに再現されていた。
「これはサイエンス・フィクションである」
この恣意は矛盾に満ち溢れている。god's palmaもこぼす。神隠しにもあう。
曲がらないスプーンという大演目。曲がる貞操帯という大演目。子宮が陰茎よりも固くそして大きく反ったのである。

《カオスを定式化しよう》
広漠とした森の風景。
その輪郭線を恵方巻きのように食べる事。(方位が取れないというのに?)
「おっぱいが三つあるって面白いよね。とても受け入れられない。頭も痛くなる。逆に二つ取ってみようか。人間が面白いと思えるのはこういう事だ」
私は寝台で一生懸命、手話をするドッペルゲンガーの話を聞いていた。次第に熱を帯びるその手さばきを見つめると卒倒してしまった。
次に目が覚めた時には私が寝台にいる。
彼は一生懸命《アレ》をしごいていた。私は間断のない連想を手話するのだが、互いの手の指揮する運動線が同調してはそのたびに意識を失いかける。
あえて中断を試みるが、かえって吃逆(しゃっくり)のような痙攣になってしまう。
ノイズが聴こえるともうすでに彼は"水滴"になっていた。
いや彼自身が果てて精液になってしまった。
無残に陰茎だけが残っていてそれは北北西の方角を向いていた。
私は恵方巻きのイメージを思い出して、それを手に取ると左肩から勢いをつけて三階の高さから身を投げた。
窓ガラスは退(ど)いたと言っていいほど綺麗に割れた。

甲冑を着た道化師が最後に挨拶をする。
「いやあすごい話だったね。私はこの話を何遍も聞いているから自分の出番がくるまで静脈に混ぜ物を打ちまくってしまったよ。ちゃんと喋れてるかな?そんな事はどうだっていい。そんな事はどうだってよくないんだ。この手の話は人間を魅了するのかもしれないが、私はそのたびに混ぜ物を打たなければならなくなってしまう。依存を断つのは辛いんだよ。依存があるからこうしてピエロで賃金もらってると言える。逆を返せばお前らがこういった話に興味をもたなければ俺は依存しなくて済むんだよ。こんな話はつまらない。かといって生殖よりはマシだけどね。じゃあ君らに最高の締めというものを見してあげる。何度やっても緊張するよ」
ひとしきりに挨拶を終えると道化師は左腕を異性に見立てて器用に"セックス"をした。
つまりそれは左右両方からねじれていき、雑巾絞りのようになった。

呆気にとられたのはそっちの方じゃないんだよ。客席は満員なんだけどどこを見渡しても警官しかいなかった。道化師のまくし立て方の問題でもあるんだけど、それより奇妙に生々しいその膣化した物質に見とれて連中は混ぜ物ジャンキーを現行犯逮捕しなかった。
その事に悔いて全員がその場で自殺したかは想像力次第だけどね…

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