צא

دمنهور - 𝑆ℎ𝑖𝑧𝑢𝑜𝑘𝑎 | 𝐻𝑒𝑟𝑚𝑒𝑠 𝑇𝑟𝑖𝑠𝑚𝑒𝑔𝑖𝑠𝑡𝑢𝑠(933311) | Ramakrishna | 𝐑𝐀 | 1991.03/19 | JAPON ♎︎

「酸味の強い性別」

長い行列 といった感覚であるのに今では隣人の陽だまりに俺は硬直と弛緩を繰り返している
黄色い笑いに何度も頷く犯行に やはり思い出をむせる
「もう一丁」
店主は微妙な子供時代を経験で隠し、十五分の麺打ちに入った
TVではオーロラ特集で リポーターの酢豚然としたトレーナーが目に痛い
ひりついた視神経を冷まそうと過度に水を押し込むが油と伴ってせり上がってきたゲップに溶ける思いだ
一瞬、薬局を想起するも どうもならん
頼りなげな店主の麺打ち姿に助けられて、俺は二杯目の蕎麦をなんとか食った
田面から無重力にツンと雑多な糸が
「このままでは」このままでは、というのも桃の中で勤める虫のような具合で、俺はやはりビニール製の ここから 出られない
別段焦ってもないし、洞察出来ている、均衡力はある。
ドリブルを続けなければ死んでしまう担任を先頭に学生らはノソノソと列をうねらせながら卒業式に向かった
校長先生は二人居て、壇上に進むための中央のゾーンは地割れしている。
大木は この日に両親が来ないためか ふと今日、死んでしまうように思われた
灰色の頭、ピープルグラスの白球が次第に恐竜を思わせて最後、花瓶の歌を唄いながらそれぞれ満足気な顔で退場しようとする
在校生の目の前では、ぼろぼろと頭部が床に転がる光景を見ただろう
天然のピアノ線がスマートに卒業生の頭部を切り離していったからだ。
脇で構える先生方は微動だにせず、彼らを見守っている。
やがて最後の一人の首の落ちるのを見届けると担任は大きな声で「マイネームイズ!」と何度も叫んだ
会場は異様な熱気に包まれ、息を吹き返した卒業学年分の頭部は口をパクパクさせながら何かを発している
大木は 馬鹿でも何か言えるんだな と思い、拳を打つように納得した
担任は自らの組の生徒の首を目で追いながら依然、叫んだ。
ゴロゴロと裂け目に落ちていく生徒の首は何とも言えない玩具のような風合いで来賓者らも前のめりになり首を見つめている
担任はうっとりと、そのまま幾つかの首を取り除き自らの身体を裂け目に押し込んだ。
そこで待っていたのは母であった。
担任は母の前で裸になると、糸鋸で膣を先頭にし、頭部めがけ裂き始めた。
普通の真っ二つの間に全裸の自分を埋めて彼は マイネームイズ の事を考えていた
永延に泣けないような、これでハーレムが叶ったような
担任は地下から少し見える体育館の天井を見据えながら無為にホイッスルを吹かした。