chris blown chris blown.ダウン・オレンジのちょうど人間の膝くらいの高さからクリアプレートが建っている。
先進国の青年は「赤色が見たい」と言った。それは原始回帰を示していた。
ユーフラテス川から流れてくるキリスト像。シーリングライトの光。
chris blown chris blown.ダウン・グレープはスリットを一枚挟んでちょうど青色を示していた。
チェスの対称性を円環構造にする事。
貧困国の少年は性に飢えていた。それは彼の無能力がかえって社会性に結実しているという事だった。
今回は「色相・慣性」について議論しているようだ。
プロジェクターには大型車のタイヤがレジ袋を巻きつけながら回転する映像が繰り返し再生されていた。
「このレジ袋は白色である。この白色はタイヤがレジ袋を巻きつけるという運動を強調している。しかし壇上に上がって私の話を聞くと異なった印象になる。私の胸に手を当てて。今度はこのレジ袋のフォルムに目がいくようになる。するとこれが心臓のように思えてくるだろう。そして実際のレジ袋の白色と心臓の赤色を交互に見るようになる。色相とは他者性に基づいてるのだ」
黄色い果実の曲線。やがて黒くなっていく。そのようにしてハワイが"萎れていく"。（ちょうどハワイ行搭乗客のエントロピーと米軍のエントロピーが遺伝子化し始めていた）
待望の天変地異の焼け野原で青空が遊水化していた。その中で昔の農夫は一尾ずつ鰯を植えていった。肺が破裂するほど郊外の空気を吸う事。思ったよりも鈍重になってしまった。未来派の横長インスタレーションが市役所四つを繋げた土管のようになっている。少しずつ兆しが見えてくる。
第1ヒエラルキーの天使群のセックス。つまり神に相対性がないのに現し身としての彼らにそんな事があり得るはずがない。しかしそれは想像されたのである。
chris blown. chris blown.ダウン・グレーは蒸発していた。むせる犬の死骸の空洞には新品のスマートフォンが置かれていた。hello.と表示され、あるCG映像が流れ始めた。地方ショッピングモールの天井が抜けて人間が押しつぶされている。また逆再生で天井が上がっていく。そして人型に凹んだ部分にハレーションが起こる。生産工場の機械が止まった。独立国の青年は国から逃げた。両親からも逃げた。
chris blownのアカウントは雲より低い太陽の動画投稿で更新が止まっていた。勿論、彼はインターネットでの活動よりプライベートの方が長いのである。
