צא

دمنهور - 𝑆ℎ𝑖𝑧𝑢𝑜𝑘𝑎 | 𝐻𝑒𝑟𝑚𝑒𝑠 𝑇𝑟𝑖𝑠𝑚𝑒𝑔𝑖𝑠𝑡𝑢𝑠(933311) | Ramakrishna | 𝐑𝐀 | 1991.03/19 | JAPON ♎︎

「首〜あるいは1224匹の魚〜」

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低音のイスラム的合唱が聴こえてきて、廃墟から真正の太陽が上がってきた。そこに動物はなく、つまりは数字はなく、自分の体が白飛びしている事に今気がついた。

馴染みのルーティンである睾丸シャワー。先日、それで「ノーム」という単語が印象に残った。砂埃は意志的に舞った。つまりは交通網的に互いが交叉していてそれを避けながら歩くようにしている。

「航空機が発明されたのは利便性の問題か。いや利便性とは超越性である」
ケニーは俺とは違う周期をもっている。だからそこに動物がいる。青色の象。首のタトゥーはビナーに対応し、ビナーに対応した神の首が回っていた。両手に火打石をもって、それを擦れば大気に無数の蛇が発散された。

(人の体がひし形であれば、背景は光で、人の体は影になり、黒くぼやけたところには楕円がある)

ケニーは大きな口を開けて高級な歯列を私に与える。そしてクリーム・ベッドが降りてきて、楽園まで進行した。

女の縄文土偶。腰からやや傾斜した頭が最先端を物語る。淡い緑色の知性。余白部の彼らの性センターを利用して、チベット寺院の尖端に到達する。
進化しすぎた象形文字は道路になって、またイスラム的合唱はそこに変奏して、つまり何を押し上げているのか。

エーテル体の首を丁寧に輪切りして取り外すと、白色の頭が浮かび上がった。それは装置だった。意志の装置だ)

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キャソックは一着でよかった。そしてキャソックの数だけ戦争は起き、私はちょうどノームの指す緯緯地で着替えた。黒い床に黒い円台。黒い教卓で私は演説した。

「我々は我なり。我は数ではなく我は我であるのだから、今ここで我をもってして我々と宣言する。我々は我なり。我はここで全てを行う。我々は我なり。我は右手を掲げる。しかし一向に死んで構わない。むしろ我の方からそれに死を与えよう。我々は我なり。私は全ての支配を組み伏せる。そして最も結晶化した精神の吐息をそれにかける。この左手も挙げるとする。それ、全てをいただくのだ。この黒さも白さも必要ない。灰色も要らないのだ。全ては数によって決まった。私は17を宣告する。1(いち)7(なな)、牡羊座、天秤座、オポジション

そのまま後ろに倒れると体は17LIVEが映し出されたスマートフォンから真っ二つに裁断された。最も美術的なスローモーション。画面では女性配信者がダンス中で、私はそれをFC2アダルトに切り替えた。女は無料放送であるというのにホルスの目にバイブを突っ込んでいた。

ケニーは服飾的に洗練される事はなかった。いつも民族みたいな格好をして髪の毛は角髪(みずら)だった。彼は大量の知識を運んできてくれた。

金色の建築物の門でうな垂れる私は今までの時間を遡った。ラブホテル、クラブ、友人宅、牛丼チェーン店、駅、自宅。ケニーの毛髪は永久不変に思われたが実はそれは鬘(かつら)だった。彼はそれを建築物に置き換えてくれた。

クラブで酩酊する私は"その場限りの仲間"とジョークを言い合う事もなく、さよならして、一直線に海へ向かった。

辿り着く頃には酔いも覚めて海を眺めながらそこで出会ったサラリーマンと税金の話をした。実際には彼が一方的に話しているのだが、私はそれを幾何図形的な法則の運動問題かなにかだと思った。

ここに太陽はなく、彼も早々に去って、私はケニーが存在しない事の精神の歪曲をそのまま曝け出した。頭は砂浜に埋まり、背中は跳ね上がり、視界は海に飲まれた。
もはや私の所有すべきところの体はなく、その打ち上げられた体は、飛翔する魚群を目に映した。

そしてゆっくりとひし形の構造物が降りてくるとそのまま私の首を切断した。